この家に住み始めてから早いもので十五年が過ぎようとしています。玄関の扉は雨風に耐えながら、家族の帰りを静かに見守り続けてくれました。しかし最近、毎日繰り返す当たり前の動作に少しの違和感を覚えるようになったのです。鍵を差し込んだ際の手応えが以前より硬くなり、左右に回すときに「ガリッ」という小さな引っかかりを感じるようになりました。最初は少しの油を差せば治るかと思っていましたが、調べてみると玄関の鍵の耐用年数は約十年という言葉を目にし、そろそろ玄関の鍵交換を真剣に考える時期が来たのだと悟りました。 不具合だけが理由ではありません。近所で見かけた最新の玄関の鍵交換の事例も、私の背中を押しました。お隣さんが導入した鍵は、買い物袋で両手が塞がっていても、カバンの中のセンサーが反応してボタン一つで解錠できるスマートタイプでした。暗い夜道で鍵穴を探す手間もなく、カチリと心地よい音を立てて開くその様子は、古びた我が家の鍵とは対極にある洗練されたものでした。防犯面についても、かつてのピッキングブームの頃に普及した古い型のシリンダーを使い続けることに、心のどこかでずっと不安を感じていたことも事実です。壊れてから慌てて玄関の鍵交換をするのではなく、まだ動く今のうちに、より安全で便利なものへと新調することが、この家に対する愛情の形ではないかと考えました。 週末、家族でカタログを眺めながら新しい鍵を選んでいる時間は、意外にも楽しいものでした。どんな色のハンドルにするか、指紋認証は必要か、家族みんなが使いやすいのはどのタイプか。玄関の鍵交換という一つのきっかけから、家族の安全意識やこれからの暮らし方について話し合う機会が生まれたのです。単なる部品の交換ではなく、これからの十年、二十年という月日をより快適に、そして安心して過ごすための前向きな投資。そんな気持ちで玄関の鍵交換を決断しました。実際に新しくなった鍵は、驚くほど滑らかで静かです。扉を開けるたびに感じるその軽やかさは、長年の懸念から解放された心の軽やかさそのもののように感じられました。