オートロックのマンションに住む人が、最も恐れる悪夢の一つ。それが、「鍵を持たずに、ちょっとゴミ出しに」と外に出た瞬間、背後で「ガチャン」という無情な音が響き、締め出されてしまう、という事態です。スマートフォンも、財布も、部屋の中。真夏や真冬であれば、その絶望感は計り知れません。この、まさに八方塞がりの状況から、一体どうすれば脱出できるのでしょうか。まず、パニックにならずに、試すべきことがいくつかあります。最初に確認したいのが、「他の住人の出入り」です。エントランスの前でしばらく待ち、他の住人が帰宅したり、外出したりするタイミングで、事情を話して一緒に入れてもらう。これが、最も早く、そしてコストもかからない解決策です。少し気まずいかもしれませんが、見ず知らずの人に頼むよりは、顔見知りの隣人などを待つのが良いでしょう。もし、誰も通らない場合、次に試すべきが「管理会社への連絡」です。エントランスの周辺や、集合ポストのあたりに、管理会社の連絡先や、緊急時のサポートセンターの電話番号が記載されたステッカーが貼られていないか、探してみてください。日中の営業時間内であれば、管理人が常駐しているマンションなら、事情を話せば開けてもらえる可能性があります。ただし、夜間や休日は、前述の通り、本人確認ができないため、開錠を断られるケースがほとんどです。そうなった場合の、最後の手段が、「鍵開錠業者を呼ぶ」ことです。この時、問題になるのが「どうやって電話をかけるか」です。スマートフォンが手元にないため、近所のコンビニエンスストアに駆け込み、電話を借りるか、あるいは親切な通行人に事情を話して、スマートフォンを貸してもらうしかありません。鍵屋に依頼する際は、オートロックのエントランスを開けてもらうことと、さらに自分の部屋の鍵を開けてもらうこと、二つの作業が必要になるため、料金は通常よりも高額になることを覚悟しなければなりません。この悪夢のような事態を避けるための、たった一つの、しかし最も重要な教訓。それは、「たとえ30秒の外出でも、必ず鍵を持つ」。この習慣を、体に染み込ませること以外に、有効な対策はないのです。
オートロック、締め出された!絶望的な状況からの脱出法