あらゆる手段を試しても、トイレのドアは固く閉ざされたまま。こうなってしまった時、私たちの最後の、そして最も確実な希望となるのが、プロの「鍵開錠業者」、通称「鍵屋」です。彼らは、専門的な知識と道具、そして豊富な経験を駆使して、私たちが解決できなかった問題を、驚くほどあっさりと解決してくれます。では、実際に鍵屋に依頼した場合、どのような作業が行われ、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。鍵屋に依頼した場合の流れは、まず電話での問い合わせから始まります。状況(中に人がいるか、鍵がかかっているのか、故障の様子など)をできるだけ詳しく伝えると、オペレーターが料金の概算と、現場への到着予想時刻を教えてくれます。現場に到着した作業員は、まず、依頼者がその家の住人であることを、運転免許証などで確認します(本人確認)。その後、ドアと鍵の状態をプロの目で診断し、具体的な作業内容と、総額を明記した「見積書」を提示します。この見積もりに納得し、サインをして初めて、作業が開始されます。これが、信頼できる業者の基本的な流れです。作業内容は、状況によって様々です。非常解錠装置が付いているのに開かない場合は、内部の錠前(ラッチケース)の故障が考えられるため、ドアスコープやドアの隙間から特殊な工具を入れて、内部の機構を直接操作し、開錠を試みます。それでも開かない場合は、最終手段として、錠前の一部をドリルでピンポイントに破壊して開錠することもあります。気になる料金ですが、トイレのドアのような室内錠の場合、「作業料金」と「出張料金」を合わせて、総額で8,000円から15,000円程度が一般的な相場です。ただし、深夜や早朝の割増料金がかかる場合や、錠前の破壊・交換が必要になった場合は、料金はさらに加算されます。決して安い出費ではありませんが、自分でドアを破壊してしまい、数万円の修理費用がかかるリスクを考えれば、プロに任せる安心感と確実性は、その価値が十分にあると言えるでしょう。