「よし、自分の部屋に鍵を付けよう!」と思い立ち、DIYでのドアノブ交換を決意した。その意気込みは素晴らしいものですが、焦ってホームセンターやインターネットで製品を注文してしまう前に、必ず行わなければならない、最も重要な儀式があります。それが、「既存のドアノブの正確な採寸」です。この工程を侮ると、せっかく購入した新しい鍵付きドアノブが、全く取り付けられないという、悲劇的な結末を迎えることになります。ドアノブや錠前には、驚くほど多くの規格が存在し、ほんの数ミリの違いが、取り付けの可否を分けるのです。では、具体的にどこを、どのように測れば良いのでしょうか。後悔しないために、最低でも以下の四つのポイントを、メジャーや定規を使ってミリ単位で正確に測定してください。第一に、「ドアの厚み」です。これが、交換用ドアノブを選ぶ上での最も基本的な適合条件となります。薄すぎても、厚すぎても、正しく取り付けることはできません。第二に、「バックセット」。これは、少し専門的な用語ですが、ドアの端から、ドアノブの中心までの距離を指します。この長さが違うと、ドアの側面にあるラッチ(かんぬき部分)の長さが合わず、元々開いている穴に収まらなくなってしまいます。第三に、「フロントプレートの寸法」です。フロントプレートとは、ドアの側面に見える、ラッチが出入りする長方形の金属板のことです。このプレートの「縦の長さ」と「横の幅」を測ります。ここが違うと、ドアの切り欠きに綺麗に収まりません。そして第四に、「ビスピッチ」。これは、フロントプレートをドアに固定している、上下二つのネジの、中心から中心までの距離です。このピッチが合わなければ、ネジで固定することができません。この四つの数値を正確にメモし、それと完全に一致する仕様の製品を選ぶこと。この地道で丁寧な準備こそが、ドアノブ交換DIYを成功へと導く、何よりも確実な地図となるのです。
DIYの前に絶対必須!鍵付きドアノブ交換のための正確な採寸