「よし、自分で玄関の鍵を交換するぞ!」と決意したあなたを、心から応援します。しかし、その熱い気持ちのままホームセンターやインターネットに駆け込む前に、必ず、そして絶対にやらなければならない、最も地味で、しかし最も重要な準備があります。それが、「既存の錠前の完璧な採寸」です。この工程を甘く見ると、あなたの挑戦は、始まる前に終わってしまいます。玄関の鍵交換DIYにおける失敗の9割は、この採寸ミスが原因と言っても過言ではありません。後悔しないために、メジャーとメモ帳を手に、以下のポイントを、ミリ単位の精度で、慎重に測定していきましょう。まず、基本中の基本、「ドアの厚み」です。これが、交換用シリンダーを選ぶ上での大前提となります。次に、ドアを開けた状態で、ドアの側面を見てください。そこには、錠前の本体である「錠ケース」が埋め込まれており、その表面には「フロントプレート」という金属板が付いています。この「フロントプレートの縦と横の長さ」を測ります。そして、そのプレートを固定している「上下のネジの中心から中心までの距離(ビスピッチ)」も、非常に重要な寸法です。ここが違うと、新しい錠前をネジで固定できません。さらに、フロントプレートに刻印されている「メーカー名(MIWA, GOALなど)」と、「型番(アルファベットと数字の組み合わせ)」を必ずメモしてください。これが、適合する製品を探す上で、最強の手がかりとなります。そして、最後に、少し専門的ですが「バックセット」を測ります。これは、ドアの端から、シリンダー(鍵穴)の中心までの距離のことです。この長さが違うと、錠前の内部機構とシリンダーの位置が合わなくなります。これらの、一見すると面倒に思える採寸作業こそが、あなたのDIYプロジェクトの成功を左右する、まさに「設計図」となるのです。この設計図さえ完璧であれば、あとは、それに適合する正しい部品(シリンダー)を見つけ出し、組み立てるだけ。焦らず、丁寧な準備を心がけること。それが、玄関鍵交換DIYを成功へと導く、唯一にして絶対の道筋です。
DIYで玄関鍵交換!成功の鍵は「完璧な採寸」にあり